大会テーマ「心理劇の成熟と新しい展望」
日本心理劇学会の大会は,2024 年度で30 回を迎えることとなりました。その節目の大会を,2025 年1月11 日(土)・12 日(日)の両日に,共立女子大学を会場として開催いたします。
大会テーマについては,現在を基点として,過去を丁寧かつ端的に振り返り,未来を具体的かつ前向きに見通すことのできる大会にしたい,という心からの願いを込めて,「心理劇の成熟と新しい展望」といたしました。また,心理劇や心理劇を標榜する学会について,大会テーマに示された視点から捉えるねらいをもって,大会長講演,特別講演,シンポジウムを企画しました。大会当日には,参加者全体で,心理劇について,日本心理劇学会について考えてゆきましょう。
なお,特別講演の講師には,平田オリザ先生をお招きしております。演題は「わかりあえないことから」です。
さらに,豊かな体験の場を提供する目的で,プレ行事の舞台見学と,大会企画ワークショップを計画しました。開会式や懇親会では,節目の30 回を祝うためのイベントも準備しております。気持ちを分かち合いつつ,楽しい時間を過ごしましょう。
本学会の第29 回大会に参加した皆さまには,この大会の終盤で,第30 回の大会長を拝命した者として,初めてご挨拶申し上げたときのことを覚えておられますか。そのとき,「第30 回大会はオールスターキャストで開催します」とお伝えしました。実は昨年12 月の時点では,大会準備がまだ何もできていない状態でしたが,オールスターキャストというイメージだけは鮮明にもっておりました。小さな発想の芽は,大会の準備過程をとおして大きく育まれてゆき,今では心の中核に,すべての参加者の皆さまと一緒に,第30 回大会に向かって光のなかを,躍動感をもって歩んでゆくイメージがあります。
このような経緯から,本大会では,事前に多くの情報をメールで発信してきました。また,オールスターキャストを念頭に置いて,すべての常任理事・理事・監事の方々や,日頃から本学会で活躍しておられる方々にお声がけさせていただき,所用でご欠席の方を除くたくさんの方々に,何らかの役割を担っていただきました。大会運営委員会のメンバーや学生スタッフも,心映えの素晴らしい人たちなので,大会当日には,和やかで楽しい学び合いと,プレイフルな交流の輪が広がると確信しております。
補足すると,準備を進める過程では,常に誰かに助けられていることを実感しております。例えば,心理劇の実践と研究に真剣に向き合う会員の方がいなければ,たくさんの発表数は集まらなかったことでしょう。継続発表賞・オンリーワン賞に関心を向けてくれる会員の方がいなければ,表彰式は萎んだものになったことでしょう。発信すれば呼応してくれる,日本心理劇学会という共感的なグループに支えられているからこそ,大会長の重責からくるプレッシャーを乗り越えて,明るく前向きに頑張ってこられました。第30回大会を応援してくださったすべての皆さまに,心底より御礼申し上げます。
至らぬ点も多々あるかと思いますが,大会当日は,参加者の皆さまと心を合わせ,力を合わせ,実りある大会にしたいと考えております。運営スタッフともども,精一杯に取り組みますので,会員・非会員にかかわらず,参加者の皆さま方には,ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
初霜の降りる頃に
日本心理劇学会第30回大会大会
共立女子大学教授
安藤嘉奈子